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フランチャイズ展開を始める前に
目次
1.FC契約獲得までに必要なアクションの全体像
加盟開発フローをフェーズごとに因数分解して捉え、適切な課題設定・施策を実行することが必要となります。これまでお伝えした方法で、ただ加盟検討者を集客すれば良いというわけではありません。
実はそのあとのアクションが重要となります。以下は、一般的なフランチャイズ本部のアクション例です。それぞれのアクションについて解説していきます。
①電話・メールによる連絡
加盟検討者から問合せがあった場合、即レスが原則対応となります。時間が空いてしまうと、加盟検討者の興味関心が薄まってしまったり、他のフランチャイズ本部の検討を進めてしまう傾向にあります。インターネットからの問合せの場合は、メールによる返信はもちろんですが、電話による連絡も有効です。特に40代~50代より上の世代は、電話文化がまだ根強くあります。まずは迅速に連絡を取り、加盟見込み客との接点を持ち続ける事が重要です。そして、問合せがあった際にクイックに対応が出来るよう、トークスクリプトやテンプレートを事前にご準備ください。
②資料の送付
インターネット上に必要な書類を準備してダウンロードさせることもできますが、設定したターゲットによっては、紙の資料を郵送する方法が有効な場合もあります。加盟検討者が他社と比較しやすいという点もありますが、郵送物一式の内容によっては会社に対しての安心感や信頼感を醞醸することも可能となります。また、資料の送付後、資料に対する加盟検討者の意見や疑問をヒアリングするきかっかけをつくれるというメリットがあります。更なる資料のラッシュアップにも役立つ為、ヒアリングについては徹底的におこなうことが望ましいです。
③アポイントの設定(個別面談、合同説明会、WEBセミナー)
加盟検討者が少しでも自社に興味を持っている場合は、次のステップとして面談の設定をおこないます。その際に自社の優位性や強みをアピールできるように、事前に面談に臨む担当者に対して教育しておく必要があります。個別面談を自社へ誘致しておこなう場合は、加盟検討者の本部見学も兼ねることになりますので、面談担当者だけではなく、会社全体で加盟検討者にアピールできる体制作りも重要となります。自社の事務所ではあまり良い印象をあたえられないと判断した場合は、近くのホテルや貸会議室にておこないます。加盟検討者の希望する場所へ訪問する手段もありますが、可能な限り自社への誘致を進めることを推奨いたします。
④実店舗の見学&既存加盟店見学への誘致
加盟検討者がさらに興味を示した場合、実績のある店舗や既存オーナー様を紹介すると良いです。その際、事前に既存オーナー様には対応時のQ&Aを作成し、共有しておきます。実店舗が加盟検討者の住まいの近くに無い場合は、事前に直営店や既存店へのインタビュー動画や事業イメージが伝わる画像をストックしておき、それを見せるという手段も有効です。
⑤加盟契約までの流れを説明
加盟検討者が一番慎重になるのが、加盟契約となります。契約についても担当者へのロープレは事前におこなってください。また、加盟契約前に加盟金の入金を完了させるのか、加盟契約書の内容については事前に法定開示書面等で開示をおこなうのかなど判断が必要となります。自社のパッケージによる最適な契約フローの構築が確実に契約締結をおこなうために必須となります。余談ですが、フランチャイズに関する知識が浅い人には詳しく、フランチャイズに関する知識が深い人には要点を説明することが、確実に契約締結をおこなう秘訣です。また、加盟後の収益モデルや投資回収期間の目安等については契約時に必ず説明してください。
2.アクション実施後の振り返り
以上のような流れで加盟手続きを進めていきますが、全員が契約までたどり着くとは限りません。しかし、契約に至らなかった人も本部にとっては重要なデータとなります。加盟検討者がどの段階で離脱したのかを把握できれば、どこに問題があるのかがわかり、改善する事が可能となります。そのためにも、加盟検討者への対応は慎重におこなうことが重要となります。担当者の経験値が上がると、傲慢な対応になることもありますので注意が必要です。
継続して加盟者を獲得し、自社ブランドを拡大・発展させる上で、
①自社フランチャイズシステムのブラッシュアップ
②募集媒体の選定とデータの蓄積
③加盟者獲得フローと営業スキルのブラッシュアップ
をきちんと実施し、定期的な見直しを図ることが重要となります。